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コミュニティ維持をめぐる
つながり境界の動態に関する比較研究
―人の移動交渉葛藤

多文化共生、ボーダーレス社会やフラット社会など、いっとき注目された言葉。実現するとなるといかにハードルが高いのか、理想と現実のギャップを知れば知るほど、課題の多さに手も足もでなくなってしまいそうになります。けれども、暮らしのなかには、一見、ボーダーによって引き裂かれた人と人が、なんとか工夫し、交渉しながら、困難を乗り越えて、新しい地平を切り開こうしている実践があります。あるいは、さまざまなボーダーによって囲いこまれているようにみえながら、足を踏み込んでみると生き生きとした日常を紡ぎあげている人の姿があります。本研究会では、越境、移動、境界、交渉をキーワードに、人文学の視点から、人と人が絡み合いながら生み出されるコミュニケーションの動態や空間がもたらす影響、つながりの多様性について、世界のさまざまな地域の事例を通して研究していきたいと思っています。

(発表は延期となりました)

【日時】 9月12日(火) 午後1時30分~午後3時30分頃

【場所】オンライン 

【発表者】城田 愛 (同志社大学嘱託研究員)

【タイトル】 フラとエイサーにみる「境界」のダイナミズム

【日時】 1019日(木) 午後3時より

【場所】同志社志高館SK B5(地下5)

【発表者】趙芙蓉(同志社大学嘱託講師)

【タイトル】 シャマンの共同聖地と宗教実践をめぐる共生と動態

―中国内モンゴルのフルンボイル地域の二つのエスニックグループのシャマンの事例より

【要旨】 多民族が暮らす中国内モンゴルのフルンボイル地域は、モンゴル国、ロシアと地理的に隣接し、モンゴル系のツングース系諸民族を含む多民族の居住地でもある。各エスニックグループの「他者とわれわれ」という意識が民族間レベルではなく、それを越えた自然環境/超自然界とのかかわりに表れている。

 本発表では、主にバイカル湖畔の森という同じ発祥地を持ち、昔から通婚関係にあり、近い時期にフルンボイルの地に移住してきたモンゴル系サブグループのバルゴとツングース系サブグループのソロンエウンキーのシャマンたちの事例を取り上げる。彼らが共同聖地を祭り、互いに弟子の受け入れをし、占い、病気治療などの宗教実践もエスニックグループの壁を越えて行われている。

 今までの研究では、フルンボイル地域のシャマニズムがモンゴル・シャマニズムとツングース系シャマニズムという別々の枠組みで検討されてきた。本研究では、シャマンたちの宗教実践の動態を自然環境、生業と超自然界、エスニックグループ間の共生の在り方と関連付けて明らかにしていく。

​研究会開催情報

News 1

​●「ミクロヒストリーから読む越境の動態」が刊行されました

(王柳蘭・山田孝子編著/国際書院/2023年3月)

移民・難民など越境者が受入国で生み出す社会的結びつきと相互の差異を通して、故郷と帰属をめぐる重層性の課題を追究し、「個をめぐる生の物語」をたどり「人間存在」を浮き彫りにする。

定価 (本体3,500円 + 税)/ISBN978-4-87791-320-5 C320/341頁

序章  王柳蘭*・山田孝子*

第1部

 第1章 瀬戸徐映里奈、第2章 飛内悠子、第3章 山田孝子*

第2部

 第4章 村橋勲*、第5章 加藤裕美*、第6章 下條尚志

第3部

 第7章 中山大将*、第8章 藤本透子、第9章 王柳蘭*​

​ 

印は当該プロジェクトのメンバーです

詳細は出版社HPをご覧ください。

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News 2

オンラインと対面で多くの方にご参加いただきました。

どうもありがとうございました。

​ 同志社大学人文科学研究所第106回公開講演会

越境者をめぐる<故郷>と<境界>:個の物語から考える 

日時 2023年7月8日(土)午後13:30 ~17:00(開場13:00)

会場 同志社大学良心館 RY407室(来場定員50名)またはZoom (約80名)

           京都市営地下鉄烏丸線「今出川」駅1番出口から徒歩1分

 生・一般

​​参加・要申し込み

参加申し込みフォームまたは往復ハガキ(住所・氏名・電話番号・Zoomで受講希望の場合はメールアドレスを明記)でお申し込みください。

<参加申し込みフォーム>

https://forms.office.com/r/gQDEMh6vKA

 

<往復ハガキのお申込み先>
〒602-8580 京都市上京区今出川通烏丸東入

同志社大学人文科学研究所

 

​【締切】申し込みフォーム:7月6日(木)

    往復ハガキ:   7月4日(火)必着

 

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プログラム

第1部:個別発表[13:30 ~15:40]

13:30 開会・挨拶・趣旨説明

中山大将(釧路公立大学経済学部 准教授)

慰霊碑が語ること語らないこと―日ソ戦争が生み出した樺太住民の故郷喪失」

下條尚(神戸大学国際文化学研究科 准教授)

「小さな歴史」から「大きな歴史」を問い直す―ベトナム多民族混淆社会の一家族から考える20世紀」

王柳蘭(同志社大学グローバル地域文化学部 准教授)

「中国ムスリムの末裔・パンロン人たちの声―雲南・ミャンマー・タイを越えて」

村橋(静岡県立大学国際関係学部 助教)

「故郷とアイデンティティを希求する―ウガンダにおける南スーダン人の経験と語り」

第2部:総合討論・コメント[15:50 ~17:00]

 

司会 王柳蘭(同志社大学グローバル地域文化学部 准教授)

コメンテーター 山田孝子(京都大学名誉教授)

 

問い合わせ  同志社大学人文科学研究所

     ​   TEL 075-251-3940​​  Email  ji-jimbn@mail.doshisha.ac.jp

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