同志社大学人文科学研究所
第21期17研究(2022-24)(代表:王柳蘭)
城田 愛 Chika Shirota
沖縄島・勝連[かつれん]半島の米軍施設ホワイト・ビーチのゲート前に記された「境界」。「ホワイト・ビーチ・フェスティバル 2017」では、フラや地元の平敷屋[へしきや]エイサー保存会による平和を願う踊りなどが基地内で演舞された。
2022年にまとめた『踊る「ハワイ」・踊る「沖縄」――フラとエイサーにみる隔たりと繋がり』(森田真也との共著、明石書店)
ディシプリン 文化人類学
研究対象地域 ハワイと沖縄の島じまにルーツをもつ人びととゆかりのある場所(ハワイ諸島、琉球諸島、日本列島、北米、南米)
研究テーマ
・ハワイと沖縄を架橋する踊りと唄に関するミグリチュード人類学
・沖縄系移民たちのヘリテージ観光、ルーツ・ツーリズム
・ハワイと沖縄の島じまにルーツをもつ人びとの遺骨イシュー
ボーダー(境界)について一言
ハワイ(王国)とアメリカ、沖縄(琉球王国)と日米、ハワイと沖縄の関係性には、さまざまな「ボーダー(境界)」【写真1】が存在してきました。これまで、大阪生まれの沖縄系三世として、ハワイと沖縄の島じまにルーツをもつ人びとの生活、踊り、唄、博物館展示などについて、じっさい、暮らしたり、踊ったり、唄ったり、展示を創ったりしながら、社会的排除と文化的包摂に関するミグリチュード(migritude)人類学を実践してきています【写真2】。
最近は、沖縄県で開催されてきている「世界のウチナーンチュ大会」やハワイ沖縄連合会が主催する「ヘリテージ・ツアー」(文化遺産観光)、沖縄系移民たちの「ルーツ・ツーリズム」(ルーツ探し・系図作りの旅)、そして博物館展示施設等におけるハワイと沖縄の島じまにルーツをもつ人びとの「遺骨(返還)イシュー」についても関心をいだいています。
ハワイ/アメリカ/沖縄/日本、調査・展示する側/調査・展示される側、この世/あの世などと分け隔ててきた「ボーダー」とそれらを越境・架橋してきた動き・揺らぎについて研究をかさねています。